今でこそ、大きなことを言ってる僕ですが、開業して自分が新規個別指導に当たるまでは個別指導というシステム自体知らなかった。
「なんか呼び出されたけど、
オレ何か悪いことしたっけ?」
というのが一番に思ったこと。
新規開業した保険医療機関はすべて新規個別指導に呼ばれるなんて思ってもいなかった。
そこで、個別指導とは何か?ということを書こうと思う。
今まで個別指導を受けたことがない方だけじゃなく、受けた経験のある方も、ややこしいけれど、ぜひ最後まで読んでほしい。
(1)集団指導
(2)新規個別指導
(3)集団的個別指導
(4)個別指導
(5)共同指導
(6)特定共同指導
順に説明していこう。
(1)集団指導
例えば保険点数の改定なんかの場合に、講習会みたいなのをどこかの会場で実施すること。
ただ、厚生局(厚労省)の話を聞くだけ。
(2)新規個別指導
保険医療機関を新規に開業するとその半年から1年後に呼び出される。約1か月前に呼び出し状(実施通知)が届く。
指定された患者さん一人一人のカルテや帳簿類を検査されながら(検査は違法!)「この患者のカルテの書き方がおかしい」などと指摘される。
持参するカルテは10人分。一週間前に5人分、前日か前々日に残り5人分指定される。
(3)集団的個別指導
レセプト1件(1枚)あたりの点数が高い医療機関が指定される。点数はざっくりと言えば、各都道府県の平均点数の1.2倍程度。
集団指導と同様、講習会みたいなのをどこかの会場で受けなきゃいけない。カルテ等の持参は不要。
ただし、翌年も高点数だと個別指導に呼ばれる。
(4)個別指導
みんなが恐れているのはこれ。
患者さん30人分をチェックされて(もちろん違法!)あれこれ言われる。
新規個別指導よりも厳しい結果になることが多い。
新規個別指導・個別指導の結果は次の4種類
(1)おおむね妥当
晴れて無罪放免である。
(2)経過観察
数か月間レセプトをチェックされて、問題なければそれでおしまい。
(3)再指導
次の年、もう一度個別指導を受けなきゃいけない。
(4)要監査
監査に移行!
この監査が恐ろしい。保険医取消の可能性が大きいのだ。
厚労省は指導と監査は別物だと言っているが、指導結果に「要監査」っていうのが入っている以上、一体化していることは明白で、この監査、ひいては保険医取消をチラつかせることで個別指導の現場を思うがまま操っている。我々は言われる通り従うしかないのだ。
では個別指導の改善運動はどうするのかというと、ひたすら正論、法令順守を求めていくしかない。
そもそも個別指導の現場は違法行為のオンパレードなのでそれを一つづつ打ち破っていくしかない。
当然、自分が個別指導を受けなきゃいけなくなった時にもこういった戦法をとっていく。
それができないと保険医取消への道が開かれることになる。